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源泉徴収集票の給与所得控除と所得控除は、見た目かなり分かりずらいと思います。
説明の前にまずは、源泉徴収票から見ていき
給与所得控除、所得控除は順を追って説明していきます。
目次
源泉徴収票って何?
源泉徴収票は、文字通り「源泉」は源(みなもと)
水の湧き出る元のこと、その源から泉がわいて流れていくイメージです。
会社員に給与を支払う源が会社になります。
会社(給与をもらう会社員)が源であり、出発点ですといった意味になります。
そして、「徴収」は意味のとおり、会社員から税を徴収して預かりますの意味ですね。
そして、「票」→まとめた書類になります。
「源泉」+「徴収」+「票」=「源泉徴収票」で
会社から出している給与総額をまとめた書類の意味が「源泉徴収票」になります。
法的に必要である会社が会社員から預かった税額を納めるため書類にまとめているのです。
源泉徴収しないと法的にも罰せられることになるため会社員の代わりに徴収して納めるのです。
そして、源泉徴収票の中にある「支払金額」(=収入金額)につながります。
給与所得控除とは何を指している?「支払金額」とは何?
「支払金額」から順番に見ていきます。
源泉徴収票の中の項目に、「支払金額」があります。
源泉徴収票は会社から見たカタチになります。
それで、支払金額という名前・項目タイトルをつけていて
これだけ給与として全部込み込みで支払った金額は、というのが「支払金額」(=収入金額)
会社は会社員にまずは1年間で総額〇〇円支払った、しかも何も天引きしていない元の金額です。
それが「支払金額」(=収入金額)に当たり、会社員の年収とも言えます。
これは、会社員に限らず、契約社員、非正規雇用、アルバイト、パート形態、その他。
そのため源泉徴収票は会社から会社員に渡す1年間の給与に関係している明細書みたいなもの。
1年間でこれだけ給与を全額支払い、個々の税額の内訳金額、みたいなイメージになります。
そして、この「支払金額」は、色々な控除を引く前の純粋な給与の総額、年収に当たります。
給与所得控除とは何を意味しているの?
自分で経営している事業している事業者は確定申告する際に
売り上げから経費を差し引いて控除されますが、会社員などはそうした経費にあたる項目がありません。
そのため、経費にあたるものが給与所得控除になります。
給与所得控除は、どの会社員がどれだけ経費にあたる金額を使ったか個々に計算していくと
会社員だけでなく税務処理の時間と経費がかかるため
会社員もそうした経費にあたるものを一律金額に応じて引いていこうとするものが給与所得控除になります。
会社員がもらっている給与所得から控除するのが「給与所得の控除」といったイメージです。
一覧表でまとめられて、所得に応じて段階的に差し引く金額(控除額)が決められています。
それでその「支払金額」-「給与所得控除額」を引いたものが
源泉徴収票の中の「給与所得控除額後の金額」にあたります。
一例から見ていきましょう。
下記にある「給与控除額後の金額」一覧表から見ていくのが一番早く分かりやすく金額を記入できるものになります
「支払金額」(=収入金額)が360万円だと給与所得控除後の金額はいくら?
源泉徴収票にある項目、「給与所得控除後の金額」を計算します。
給与所得控除額 = 360万円-(360万円 x 0.3 + 8万円円)= 116万円
ある意味、給与を渡す金額に応じて一律的に会社員の経費を引く金額のイメージ。
360万円の給与等の収入金額であれば下記の赤い線に当たり
この116万円が、会社員でいうところの経費的な金額になります。
給与等の収入金額(令和3年分) (給与所得の源泉徴収票の支払金額) | 給与所得控除額 |
1,625,000円まで | 550,000円 |
1,625,001円~1,800,000円まで | 収入金額×40%-100,000円 |
1,800,001円~3,600,000円まで | 収入金額×30%+80,000円 |
3,600,001円~6,600,000円まで | 収入金額×20%+440,000円 |
6,600,001円~8,500,000円まで | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
給与所得控除後の金額(= 給与所得)= 360万円 – 116万円 = 244万円
給与の総額から上記会社員の経費的なものを引いた金額のイメージ。
「給与控除額後の金額」は、令和4年分 給与所得控除後金額の表から見ると早い!↓
ご覧になるように、計算しなくてもいいのです。244万円って答えが出ていて
そのまま244万円は、源泉徴収票の給与所得控除後の金額(調整控除後)に当たるわけです。
そのため、上記の表の116万円も計算しなくても下記の表からも分かります。
これで源泉徴収票の2つの項目のそれぞれの金額が分かりました。
「支払金額」(=収入金額)= 年収 = 360万円 ← 会社からもらう給料全体の金額
「給与所得控除額」= 116万円 ← 会社員では計算式で段階的一律的に決められている経費的な金額
「給与所得控除後の金額」= 244万円 ← この金額をベースにして
個々の社会保険料などを更に控除していく前の金額(ここがスタートラインの金額イメージで会社員によってこれから引いていく控除金額が異なる)が、以上のように出てきました。
「所得控除」の計算式は?
上記にあった「給与所得控除」は「給与所得+控除」のイメージで説明していました。
会社からもらう給与所得からもらう金額に応じて段階的、一律的に控除(差し引くこと)することでした。
次の段階として「所得控除」が次にあります。
何か次から次へ控除(差し引くもの)が続きますね。
ごちゃごちゃすると困るから、ここまで控除(控除名)を分かりやすく整理してきました。
でも、この所得控除がないと、納税者にとってとても困る大切な控除なのです。
これは、会社員それぞれに下記のリストに該当あれば控除(差し引くこと)しますというもの。
そのためには、まず先ほどの給与所得を出してからでないと計算ができないからです。
給与所得額 = 所得控除額(会社員個々にある下記一覧の控除額) + 課税所得額(この金額をもとに税額を計算)
対象はイメージしやすいように仮に会社員としてます。
これも同じように「所得に対しての控除」としてイメージすると分かりやすいです。
会社で一律的に差し引かれた所得から、さらに個々にあるものを控除するもの。
所得控除には次のような控除があります。
「所得控除」は、それぞれの所得から控除される対象がある場合に記載します。
そのため、控除する項目があれば忘れずにリストアップしておくのがいいわけです。
下記に見られるように各控除の項目は
社会保険料控除、配偶者控除ひとつをとっても
人ぞれぞれある、無いなど違いがあるため
一律的に引いて控除できないため、確定申告の際に控除できるものとして項目があるのです。
もし、生命保険に入っていて控除にあげないと
そのまま控除されずに会社側でも税務処理でも分からずじまいに終わるため、下記のように控除する項目があれば記載しておいて確定申告で控除を受けることができるのです。
ちょっとめんどくさいなーと思うものの
控除があれば記載して申告できれば、ある意味お得なことにもつながるわけです。
その中でひとつ若干違うのが基礎控除とは?
基礎控除は、確定申告や年末調整で所得税額の計算で
総所得金額から差し引くことができる控除の一つに基礎控除があります。
基礎控除も所得額に応じて下記のように段階的に一律決められています。
源泉徴収票の「所得控除」の内訳は?
基礎控除(所得金額によって控除できる金額は一覧表から確認できます)
社会保険料控除
医療費控除
配偶者控除
配偶者特別控除
雑損控除
勤労学生控除
寄付金控除
障碍者控除
寡婦(寡夫)控除
小規模企業共済掛金控除
給与所得者の特定支出控除
給与所得者の特定支出控除は、
例えば、〇〇さんの源泉聴取票の例をあげると
例えば、〇〇さんの源泉聴取票を例題にあげて計算すると納税額はいくら?
〇〇さんには扶養する配偶者と2人の子供がいます。
社会保険料が25万円、生命保険料が5万円、配偶者控除が38万円
扶養控除が2人いて一人38万円 x 2人で扶養控除は合計76万円
基礎控除が48万円で、下の一覧表から求められます。
基礎控除は納税者の所得金額に対して下記の通り決められています。
下記の合計所得金額は、厳密には事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額ですが、ここでは分かりやすいように給与所得をベースにしています。
基礎控除 | |
納税者本人の合計所得金額 | 基礎控除額 |
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円 |
基礎控除は上記の表から求められます。
給与所得は上記で計算したように244万円だから基礎控除額は48万円になります。
それでは源泉徴収票にある3番目の項目「所得控除の額の合計額」
「所得控除の額の合計額」の計算は下記のとおりです。
「所得控除の額の合計額」= 25万円+5万円+38万円+76万円+48万円= 192万円
25万円・・健康保険料
5万円・・生命保険料
38万円・・配偶者控除
76万円・・扶養者控除
48万円・・基礎控除
192万円・・所得控除の額の合計額(人によってそれぞれ違いが出てくる控除額)
244万円(給与所得控除後の金額)-192万円(所得控除の額の合計額)= 52万円(所得控除の額の合計額)
上記の式は次の意味と同じです。
244万円(給与所得額)-192万円(所得控除額)= 52万円(課税所得額)
この最後に残った課税所得額の52万円が税金を計算する対象。
この52万円は税率表を見て収める税額を計算。
ここが、マイナスかゼロだと、納税しなくてもいいことになります。
プラスの金額は、その額を納付します。
52万円の所得税(上記で計算した課税対象所得額)は、下記の税額表を見ると赤い下線にあるように5%
52万円 x 0.0 5 = 26,000円を納税することになります。
課税される所得金額(令和4年分) | 税率 | 控除額 |
1,000円 ~ 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 ~ 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 ~ 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 ~ 8,999,000円円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 ~ 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
所得税額の納税額は26,000円
となります。
そして、復興所得特別税も引かなければならないため
復興所得特別税 = 所得税額 x 2.1% = 所得税及び復興所得特別税
この所得税及び復興所得特別税こそが、源泉徴収票の中にある源泉徴収税額になります。
源泉徴収税額がプラスの数字であれば納税、マイナスかゼロでは納税は不要になります。
従って、復興所得特別税 = 26,000円 x 0.021 = 546円
所得税及び復興所得特別税 = 源泉徴収税額 = 26,000円 + 546円 = 26,546円
この源泉徴収税額である26,546円の税額を確定申告で納税します。